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恋愛

女と男は、なぜわかりあえないのか

2021/10/27 21:06

誤解を恐れずに言うならば、男は単純で女は複雑。
ここで問題になるのは原理的に単純なものは複雑なものを理解できないということ。
だからこそ、男にとって女は永遠に謎なのだろう。

男の欲望と女の欲望は違うということを「現代の進化論」は示してる。
この違いは人の脳が長い進化の過程の中で、そのように設計されたからである。

男と女の欲望はなぜすれ違うのか?

性愛は人々の最大の関心事の1つです。
しかしこのテーマは、小説、映画、漫画などで感情経験の一種として語られるだけ。
これまで科学として取り上げられて議論されることは、あまりありませんでした。

しかし2000年代以降は、状況が変わり、アメリカやイギリスで特に女性研究者を中心に性愛の分野に切り込んでいく人が増えました。
さまざまな研究を振り返って、改めて感じるのは、「男と女では性愛の戦略が大きく異なる」ということです。

例えば、男と女では魅力的に感じる年齢に違いが生じます。

20代の女性は自分より少し上の男性。
30代になると、自分と同い年か少し年下を好みます。
40〜50歳手前までの女性は、40歳前後の男性に魅力を感じます。
しかし49歳と50歳では、自分の年齢に近い男性を好むようになるという統計結果があります。

男性の場合、20歳の若者であろうと50歳のシニアであろうと同じです。
男性が魅力的だと思う女性の年齢は、20代前半で、25歳を超える事はありません。
これらの結果は、1年間に1000万人以上が利用する婚活サイトのビックデータを解析したものです。

もちろん全ての男性が、20代前半の女性にしか興味がないということでは全くありません。
詳細を見てみると20代前半の若者の一部は30代半ばの女性を。
20代後半の一部は40代後半の女性に魅力を感じています。興味深いのはこの熟女嗜好が、30代を過ぎると消失するということです。
それ以降男性の興味の大半は20代の女性に集まります。
年上でも30代半ばまでです。

ただ男性も、理想と現実の区別はきちんとついているようです。
それは婚活サイトの利用者の男性が実際にメッセージを打った年齢分布に表れています。
男性が行動を起こすときには多少ですが正気に戻ることがわかっています。
ここで印象的なことがあります。
それは40歳の男性が一番多くメッセージを送ったのは30歳の女性。
しかし、41歳になるといきなり35歳の女性へとジャンプしてます。
44歳の男性が一番アプローチしたのは35歳の女性です。
しかし45歳になると対象年齢はやはり5歳ジャンプするという点です。
どうやら男性は自分の年齢を5歳刻みで意識するようです。
若い女性と付き合うのに9歳の年齢差なら問題ない。
しかし10歳差となるとちょっと離れ過ぎかもと不安になる。
そして口説く相手の年齢を5歳調整するというわけです。
婚活サイトの性格上、ここでは20歳以上が対象になっています。
しかし年齢の制約がなくなれば結果が変わるでしょう。
男性の欲望の対象が10代の女性にまで広がっていくことは間違いありません。
このことから若い男女の市場価値が大きく異なるということがわかります。
では、なぜ男と女の欲望はこれほど違うのでしょうか?
これについて現代の進化論は、ヒトの脳が長い進化の過程の中でそのように設計されてきたからだと説明しています。

これには様々な意見があるかと思います。
しかし多くの研究者が半世紀以上にわたり、膨大な根拠を積み上げてきています。
現時点でこれを上回る説得力を持つ科学は存在しません。

すべての生き物が後世に、より多くの遺伝子を残すように設計されてきたとします。
そうするとその目的は生存ではなく生殖となります。
大きな過ちなく生涯を終えたとしても、生殖に失敗すればそこで遺伝子は途絶えてしまいます。
オスがより多くの子供を作ろうとすれば、限られた資源をメス全員に均等に分配するようなことはしないでしょう。
それよりも、妊娠可能な一部のメスに集中的に資源を投入した方が、ずっと有利だからです。
このようにして、全ての女性を年齢にかかわらず平等に扱う遺伝子は必要ないとして排除されます。
そして若い女性を極端に好む遺伝子が残っていきます。
そう考えると50歳になっても20歳の女性と結婚することを夢見る。
現実を突きつけられても、できるだけ若い女性と交際しようとあがく。
こういった悲しい性が理解できるでしょう。

つまりこれは、差別の問題ではありません。
進化の過程で生じた男女乗り合いの不一致という問題となります。
あくまで一つの見方ですが、現代の進化論は男と女の欲望の違いをこのように説明しています。


男と女は違う人生を体験している

精巣や卵巣などで生まれる性ホルモンが、脳に大きな影響を与えているという証拠が、ますます積み上がってきています。
男らしさや女らしさというものは、もはやホルモンの作用を抜きに語ることはできません。

男女の違いは受胎8週目から Y 染色体を持つ胎児のテストステロンが急激に増加することで始まる。
このテストステロンとは、男性ホルモンとして知られる化学物質です。
コミュニケーション中枢の一部を破壊し、性および攻撃中枢の細胞を増やし、男の子の脳を作ります。

それに対して Y 染色体を持たない胎児は、体内でテストステロンの影響を受けません。
そして、言語や情動を司る領域の細胞を十分に発達させた女の子の脳を持って生まれてきます。
近年出生後にも性ホルモンが分泌される時期があることがわかってきました。
それが幼児思春期です。
男児は9カ月にわたって成人男性と同レベルのテストステロンにさらされます。
そして筋肉が発達し運動能力が向上。
それにより取っ組み合いのような男の子同士の遊びに備えさせます。
女児はさらに長い24カ月にわたって成人女性に匹敵する大量のエストロゲンという女性ホルモンの影響を受けます。
これが急速に構築されつつある脳の回路を刺激し、コミュニケーション能力を発達させて、おしゃべりになると共に、他社の表情を読み取る共感力を強化します。

子育て経験者であれば、男の子と女の子が最初から全く違うことを知っているでしょう。
これは社会的文化的影響ではなく、異なる性ホルモンが脳と体に作用しているからです。

その後比較的安定した少年少女期を経て、思春期の荒れ狂う嵐の中に突入します。
男の子のテストステロンレベルは、9歳から15歳までに20倍も増え世界は激変します。
性行為のことしか考えられなくなるというようなレベルです。
そして男の子のもう一つのはっきりとした特徴は性ホルモンのレベルです。
これは脳の状態が常に一定であるということ。
その結果朝から真夜中まで、昨日も今日も明日も一定して、女の子のことで頭がいっぱいになります。

これは一つ男女の間に誤解を生む大きな要因ともなります。
男の子は無意識のうちに女の子も自分と同じように気分が一定していると思っているからです。

多くの女性は月経が始まる直前は落ち込んで涙が出るし、ストレスを感じて攻撃的になるといいます。
ネガティブ思考でてキーが募り絶望して、鬱々とすると訴えます。
月経周期に伴うホルモンレベルの大きな変動は、現代社会において女性の日常生活に大きな混乱をもたらしています。
社会でも学校でも、あるいは家庭ですら常に安定した気分でいることを要求されるからです。

このように成長過程だけを見ても、男と女の人生の体験は全く異なっています。
このことがお互いの理解を難していることは間違いありません。

男と女の夢

進化論的には、強い性欲は女をめぐって競争する男だけにあればいいとされています。
女は言い寄ってくれた、たくさんの男の中から自分と将来の子供にとって最も有利な男を選べばいいからです。
性欲はあってもなくても、どちらでも構わないということ。
そして出産を機に性欲を失う若い女性がかなりの数いるということがわかっています。
遺伝子が子どもを産み育てるよう進化してきたと考えれば、これも合理的な設計です。
女性に性欲があろうがなかろうが、どのみち男性は性行為に駆り立てられます。
もちろん中には性欲の強い女性もいるでしょう。
しかし誰かれ構わないというような猥褻行為を好む女性は原理的には存在しません。
かつてそのような女性がいたとしても自分も子供も生き延びることができず、遺伝子を次世代につなぐことはできなかったはずだからです。
性的な関心が男女で大きく異なるというとは、以前から分かっていました。
猥褻行為を好む女性の存在が現実的にはありえない男の夢だとしたら、女の夢は何でしょうか?
アメリカでは1960年にグラマラスな裸体の美女が乗っているグラビア雑誌が大きな成功を収めました。
その後筋肉ムキムキの若い男性の裸体を乗せた女性向けのグラビア雑誌が次々と創刊。
しかしこちらは全く売れずにたちまち消えていきました。

男性の裸体を熱心に見るのは男性同性愛者ばかりでした。
そこで女には男とは別のポルノがあるのではないかという説が唱えられるようになりました。
その根拠はロマンス小説です。
ロマンス小説の設定はものすごく定型化されています。
ヒロインとヒーローの出会いから恋が成就するまで、同じようなストーリーを繰り返し読むことに快楽を感じています。

医師やボス、王子、騎士、カウボーイ、ボディガード、保安官。
頬骨が張っていて、顎が発達した彫りの深い顔立ち。
筋肉質で贅肉のないたくましい体つき。
ロマンス小説のヒーローにふさわしいのは、男らしい権力者です。

そしてこれは生物学的にはテストステロンの値が高い男に当てはまります。
チンパンジーやニホンザルの雄は、はっきりとした回帰を作るという習性がある動物です。
かつては最上位のオスをボスザルと呼んでいました。
しかし今は、第1順位の意味で、アルファ、第2順位の意味でベータが使われています。

この動物行動学の用語は、アメリカでは人間にも転用されています。
ロマンス小説のヒーローはアルファの男。
それに対してベータの男は女を幸福にする条件は満たしているもののアルファには劣ります。

日本においてはロマンス小説の分野は、長らく少女漫画がになっていました。
そしてその後、ライトノベルに引き継がれます。
例を挙げるまでもなく、学校を舞台にした恋愛物語のほとんどは、ヒロインとアルファ、ベータで構成されていますよね。
なぜ同じストーリーが若い女性に好まれるのでしょうか?
それは「ロマンス」が社会的文化的な「構築物」ではなく、女の「本性」に根付いているからです。
簡単にいうと女にとってエロスとは、アルファから愛されることだといいます。
ロマンス小説の読者が最も盛り上がるのは、ヒロインを巡ってアルファやベータという魅力的な男たちが争う場面です。
そして最後にそれまで抵抗していたヒロインがアルファの男に屈し性的に結ばれる。
これはアルファの男がヒロインの魅力に屈することでもあります。

女が夢見るのはそこに至るまでの物語。
ロマンスがなければ興奮しないということです。
進化論的には男は競争する性、女は選択する性として設計されてきました。
少年漫画でスポーツが好んで描かれるのは競争が男性読者を夢中にさせるからです。
それに対して少女マンガで描かれるのはヒロインの選択。
ロマンスとはアルファの男にヒロインが選ばれることではありません。
複数の魅力的な男たちの中から、ヒロインが主体的にアルファの男を選ぶことです。

男の夢はポルノのファンタジーの世界に、女の夢はロマンスの物語の世界に生きています。

お互いに異なる夢を見ているというわけです。

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